ある性のファンタジーの意味

ある男性がこんな性のファンタジーの話をしました。

M:「先生、最近ずーっと変なファンタジーが続いているのです。それで、結構興奮したりしています。」

:「といいますと?」

M:「私の妻がある男性とセックスをしているのです。その男性は私の歳かそれより上で、肉体的です。誰かはわかりません。妻はかなり興奮して楽しんでいる様子です。私はベッドから離れたところで二人を見ているのですが、参加はしません。たまに妻が私の方を見て、興奮した顔を見せますが、ほとんど私を無視しています。私はどうしたらよいか解らず、困惑と興奮に襲われています。」

:「それは、面白いファンタジーですね。この種のファンタジーは、primal scene (プライマルシーン)と言って、小さい子供が親がセックスしているところを目撃し、ショックを受けたところから始まるんですよ。肝心なところは、それまで母親は自分のものと思っていた子供が、母親を父親に奪われて、ショック、損失、嫉妬、怒りを感じるのです。その気持ちは大変なもので、なかなか解決には至らない。唯一、気を楽にしてくれるやり方は、そのシーンと感情を性的化し、快楽として受けとめることなのです。」

M:「という事は、私は親の性行為を見てショックだったということですか。」

:「まあ、そういうことになりますかね。小さい時でしょうから、記憶は鮮明にないと思いますが、どこか体で覚えていて、それが今になって表現されているということになります。」

M:「でも、そうだとしたら、今、起こっているということは、何か原因があるのですか。」

:「ちょうどよい質問ですね。今、あなたの人間関係において、同じようなパターンで何かが起こっている可能性があります。それをあなたがよく認識していないので、ファンタジーとして現れているのだと思います。ある意味、無意識の世界からのメッセージでしょう。何か奥さんとありましたか。」

M:「そこまで言われると、心当たりがなきにしもあらずです。最近結婚生活が長くなったといいますか、妻に対して性的興味が薄れているのは確かです。それで、妻に対して悪いなと思ったり、他の男に興味が出たりするかなとかちょっと心配になったりもします。もちろん、浮気などしてもらいたくはありません。」

:「浮気をされて、誰かに奥さんを奪われてしまう恐怖や怒りがファンタジーを通して表現されているのではないでしょうか。プライマルシーンと同じく、無意識のネガティブな感情を、性の興奮で中性化したり快楽にしています。面白いことに、今のあなたの結婚生活を過去の子供の時の経験に基づいて意味づけをしています。」

M:「そんな心の動きがあるんですね。それで、今自分でも解ったように、ファンタジーと結婚生活の関係性が見えたので、ファンタジーはなくなってしまうのですか。」

:「直ぐ、そうなるとは思えませんね。実は、あなたの奥さんを奪ってしまう男性とは私であると言うファンタジーなのですね。」

M:「えーっ、まさか、、、先生本気でそんなことを言っているんですか。そんなこと私は考えていませんよ。」

:「まだ、気が付いていないかもしれませんね。でも、そのうちに、私に対して怒りや恐怖が感じられるようになる日が来ることでしょう。それを私に表現することで、その感情に変化が起こっていきます。表現しなければ、変わりません。変化が起こることによって、あなたのファンタジーの意味が変わっていくのですよ。同時にあなたの奥さんに対して感じることも、変わっていくと思いますよ。」

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